日経プレミアムゼミナール in 川崎 第二部 ハードルを越える 為末大
第一部に続き、第二部はハードルメダリストの為末大さんの公演です。
内容、箇条書きです。
スポーツは、三つに分けられる。演技系、チーム競技、個人競技
演技系は、アーティスとに近い。
チーム競技は、チームワークが強い。どうすれば、自分が試合に出られるかを常に考えている。これが強い。
個人(陸上)競技は、内向きになっていく。
なぜ人間は足が速くなるのか? 為末さんの疑問
人間は誰かがやった事であればやれると思っている。
つまり、誰もやれないことはなれないとマインドセットされている。
我々の限界は、身体ではない。マインドである。つまり、思いこみ。
高校球児の生まれた月を調査。4-6月が一番多い。
理由は、野球を始める幼少期は、1-3月生まれの同級生より自分が上手。
自分が自分にレッテルを貼っている。
自分は、早熟型。中学では相当足が速かった。
カールルイスにあこがれて100mをやっていたが、高校で伸び悩み、大学から声がかからなかった。
400mハードルならやれるとある日気づいた。
大学4年の2000年オリンピック出場。ハードルでこけた。
パニックになって何が起きたかわからなかった。
人間は焦ると目が狭まってトンネルの中にいるような心理になる。
「いつも時間がない」 あなたへ という本が上記を説明している。
それから、スランプに陥った。もうおしまいだいと思ってします。逃げ場がなくなる。
現実が変わらない場合、見え方を変える必要がある。
そうしないとつらい。
転んだ原因の分析をした。外国人のペースが速く、焦った。
焦ると、速足になる。さらに風が強く吹いていて歩幅が変わっていた。
これを解決する方法を考え、さらに環境を海外に求めた。
ヨーロッパで成績を出すことができた。
失敗には、意味がある。新聞に「五輪の転倒から学ぶ」とあった。
過去に起きた出来事をどのように意味付けするかが大切。
必要な失敗だったとするために。
その後、スランプ(成績がでなくなった)に陥った。
過去の成功体験を捨てることが大切。
カールルイスにあこがれていたが、なれないものにはなれない。
自分の体を最大限生かすために、筋肉を捨て、上下運動をさせないエコな走りに変えた。
次の試合で天候が悪かった。若い外国選手が不安がっていた。
不安を与えるために、第一ハードルを最速で飛んだ。
若い外国選手はタイムが伸びず、3位になることができた。
30代で成績が伸びなくなった。人を応援したいという気持ちに変わった。
指導者として、人と比べることではなく、昨日の自分と比べることを教えている。
憧れのわなからどのように脱皮して、自分の力を生かせるようになるか。
伸び続ける人は、無邪気さ、素直さ、感心する能力がある。
会場からの質問
Q トンネル効果を抜けるトレーニングはどんなもの?
自分は、学歴、社歴に傷がつかないよういつも不安でたまりません。
A 年齢、職業、国籍など違う人と話すことが大切。
座禅10年の人と3か月の人の脳波を調べた。猫が鳴くとその瞬間脳波は同じように乱れた。しかし、10年の人はすぐに元に戻った。外乱を継続させないことができた。
よくありがちな、諦めずにやれば報われる系の話ではなく、失敗を意味づけする、憧れの民からの解放、成功体験を捨てる、昨日の自分と比べるなどこの歳になるととても共感できる内容でした。
10/4(木)は投資の日であり、夕方から柔道日本監督の井上康生さんの講演があるとのアナウンスがありその場で申し込みました。
平日なのでちょっと行けるかまだ分かりませんが、仕事を早く切り上げてぜひ話を聞きに行きたいと思います。